当院は、患者さまに安心して受診していただける環境と、職員が安心して働ける環境の両方を大切にしています。
一方で近年、医療機関において、患者さまやそのご家族から職員への暴言・暴力・過度な要求などが行われる事例が問題となっており、こうした行為はペイシェントハラスメント(カスタマーハラスメント)と呼ばれています。当院では、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例(令和7年4月1日施行)および厚生労働省のカスタマーハラスメント対策企業マニュアルをふまえ、以下のとおり対応方針を定めました。
当院は、これらの行為に対して、行政機関・警察・顧問弁護士と連携し、組織として毅然と対応します。
ペイシェントハラスメントとは
厚生労働省のマニュアルでは、カスタマーハラスメントを次のように定義しています。
顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの
出典:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」
医療機関では、この「顧客等」にあたるのが患者さま・ご家族であることから、ペイシェントハラスメントと呼ばれます。
禁止事項
次の行為はお断りします。該当する場合は、対応を中止し、退去をお願いします。
1. 法律に触れるおそれのある行為
- 暴行・傷害などの身体的な攻撃
- 大声・暴言・脅迫・侮辱・名誉毀損・威圧的な言動、土下座などの要求
- インターネットやSNS等における、当院・職員に対する誹謗中傷や事実に反する書き込み
- 長時間の居座り、退去の求めに応じない行為、長時間にわたる電話や対応の強要
- わいせつな言動、セクシュアルハラスメント
- 性別・国籍・障がい等に関する差別的な言動
- 建物・設備・機器・備品の損壊、汚損、窃盗
- 許可のない撮影・録音、およびその公開
- 危険物の持ち込み
2. 社会通念上、相当性を欠く行為
- 同じ内容を繰り返す執拗な言動
- 医学的な根拠にもとづかない検査・投薬・診断書等の強要
- 過度な謝罪の要求(謝罪文の要求、責任者の呼び出しの強要など)
- 診察の順番や診療時間について、特別な取り扱いを求める行為
- 正当な理由のない診療費の不払い
3. 妥当性を欠く要求
- 当院の医療・サービスのうち、過誤・過失が認められないものについての補償等の要求
- 当院の医療・サービスの内容とは関係のないことについての要求
診療をお断りします
医師には応召義務(医師法第19条)がありますが、厚生労働省の通知では、患者の迷惑行為の態様等に照らし、診療の基礎となる信頼関係が失われている場合には、診療しないことが正当化されるとされています。次に挙げる行為は、この正当な事由にあたるものとして、当院での診療をお断りします。
参考:厚生労働省「応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」(令和元年12月25日 医政発1225第4号)
- 大声を出す、怒鳴るなど、他の患者さまの安静や診療の妨げとなる行為
- 受付や診察室に居座る行為
- 院内での通話・撮影・録音・音響機器の使用など、院内の平穏を損なう行為
- 医学的な判断に従わず、自己判断による診療や処方を強く求める行為
- 職員への暴力、脅迫、つきまとい、ハラスメント
- 当院や職員に対する、事実に反する書き込みや流布
- そのほか、職員の説明・指示に繰り返し従っていただけない行為
当院の対応
- 状況を記録・保全したうえで、複数の職員で対応します。必要に応じて防犯カメラの映像や通話の録音を確認します。
- 行為が続く場合は対応を打ち切り、退去を求めます。応じていただけない場合は警察へ通報します。
- 悪質と判断した場合は、以後の受診をお断りするほか、顧問弁護士を通じて、刑事上・民事上の法的措置をとります。
- 職員がこうした行為に一人で耐えることは求めません。当院は事業者として、職員の就業環境を守る責任を果たします。
関係機関のポスター
当院の方針は、当院だけの決めごとではありません。国と東京都が同じ考え方を示しています。以下は各機関が公開しているポスターです。画像をクリックすると、それぞれの公式サイトのPDFが開きます。
ご意見・ご要望の窓口
診療内容や院内の運営についてお気づきの点は、受付までお声がけください。内容を確認のうえ、必要な改善に努めます。
おわりに
多くの患者さまには、日頃より温かいご理解とご協力をいただいております。心より感謝申し上げます。当院は今後も、より良い診療環境を守るため、本方針に従って対応してまいります。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
制定日:2026年8月